開催報告:第1回 ビジョナリー勉強カンファレンス 〜フィードバック〜
2021年6月10日。
第1回「ビジョナリー勉強カンファレンス」を開催。
●『学びの場』ビジョナリー勉強カンファレンス(VBC)とは?
ビジョンや目標の検討、考えの深堀り、作戦の実行、必要な行動に
役に立つ情報をお届けします!
初回のテーマは、「フィードバック」。
日本フィードバック協会代表 野見将之さんに講師を務めていただきました。
セミナーに入る前に野見さんからメッセージ。
耳なじみのある「フィードバック」という言葉。あなたはフィードバックと聞くと、どんな印象を受けますか?
実は「怖い」「苦手」と感じる人が多いという、このフィードバックという言葉。
でもフィードバックの本当の意味を知って、フィードバックを使いこなせるようになれば、人生がより豊かになります。
この機会に改めてフィードバックについて一緒に考えていきましょう!
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私もさまざまなセミナーに参加する中で、必ずと言っていいほど遭遇する「フィードバック」。
今でこそ、「フィードバック」という言葉も耳なじみしてきましたが、初めはまさに「恐れ多い」印象を持っていました。
「いいこと言わなきゃ」って変に自分にプレッシャーをかけてしまって。
でも取り繕った言葉って、相手にぜんぜん届かないし、むしろ「置きにいったな」ってバレバレなんですよね。。
だから今回、めちゃくちゃ前のめりで受講いたしました、ハイ。
それではさっそく、その全貌をみていきましょう!
今日の目的は?
まず初めに、みなさんに「今日の目的」を聞いてみました。
なんとなく話しを聴くのと、目的を持って話しを聴くのでは、
吸収率・満足度が数十倍も違います。
(出典:菅沙絵脳内記憶)
今日のセミナーで何を得られたら私はうれしいだろうか?
ぜひ、あなたも読み進める前に考えてみてくださいね。
それでは、みなさんの「目的」を見てみましょう。
よいフィードバックができるようになりたい
フィードバックの価値を知り、使い方の方向性を模索する。通常のコミュニケーションとの違いを理解する
新しい知識を得る
野見さんの思う「フィードバック」の深いところを知りたい!
フィードバックについて、どのようなフィードバックがいいのかを知る
特にネガティブなことをフィードバックしないといけない時のバリエーションを学びたい
フィードバックを深掘りする。野見さんのいうフィードバックを体感したい
気の利いた一言フィードバックを持ち帰って、明日使いたい!
フィードバックを体系立てて学んだことがないので、基本を学びたいと思います
本業でマネジメント業務が増えてきたため、相手を動かすフィードバックができるようになりたい
前回のVACののブレイクアウトルームでノミ先生から素晴らしいフィードバックについてのお話をきかせていただき、その真髄に触れるためにまいりました
フィードバック苦手克服したいです
野見さんの素晴らしい話を聞いて、効果的なフィードバックとは何かを学びたいと思います
フィードバックは人に力を与えることができるので、学びを深めたいと思い参加しました
なぜ、フィードバックを広めようと思ったのか?
MBF = Most Bad Feedback
自己紹介の中にも記載されている「MBF」 = もっとも悪いフィードバック
野見さんが、過去受けたもっとも悪い(嫌な気持ちになった)フィードバックがあり、
その経験が、「日本フィードバック協会」を立ち上げる原動力になったようなんです。
そのエピソードがこちら。
あるとき、野見さんは経理業務で間違えた数字を報告してしまった。
すると……
上司:「お前、嘘ついたな」
野見氏:「いや、嘘をついたわけでは……」
上司:「いや、嘘でしょ」
野見氏「……」
それ以上何も言えなかったらしいのですが、この言葉をずっと消化できず苦しんだそうなんです。
そして思った。
【たったひとことで、人を苦しめてしまうこともあるし、逆に喜びを与えることもできる】
それから野見さんは「言葉」を研究しはじめて、さまざまなSNSで発信。
なかでも、4年前から配信されている『人生のアップデート』というメルマガは、
一度名刺交換をしただけでよく知らない野見さんのファンになってしまったほど、私は言葉の破壊力を感じています。
その背景を今回知ることができたのは、個人的にとてもうれしかったですね。
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●人生のアップデート
https://i-magazine.jp/bm/p/f/tf.php?id=nomi
さて、それで結局、フィードバックって何でしょうか?
言葉のチョイス? やさしい言葉を返してあげましょう、ってこと?
答えの前に、また野見さんから質問がありました。
みなさんにとって、フィードバックとは何ですか?
だめだし
得体が知れない
感想・発見・感謝
謙虚な問いかけ
相手への受け応え
相手から受け取る言葉/事象
その会話の場にポジティブな雰囲気を作り出す手段
相互作用する振る舞いの全部。意味や価値は受け手が決めるもの
応援
自分のアクションに対する反応?
相手へのプラスの贈り物
背中を押してもらう
成長・向上・改善への「明確な」道しるべ
愛のある激励!
相手のためを思った声かけ
相手の気持ちが前向きになるようにする。寄り添う
主観
相手の行為や言葉に対して色々考える事によって、自分を振り返ることにもなること
自分が気付いてない点への指摘で、成長につながるもの
自分の経験と合わせて共感する事
もし自分だったらどうするかを伝える
愛あるコミュニケーション
自分への気づきと感謝
いやぁ、おもしろい。
本当に十人十色ですね。
明確な答えがない方も、「あぁ、これに近いな」というのはあったのではないでしょうか?
では野見さんの答えは?
フィードバック = 帰還
なるほど。
辞書的にはそうらしいです。
そして、野見さんは、「送り返すこと」だから、これら”すべて”フィードバックと言える、とおっしゃっていました。
ふむふむ。
そう考えると、人生の対話はすべて「フィードバック」じゃない?
「フィードバック」がとてつもなく偉大なものに思えてきたんですけど……
でもまてよ、じゃあどうしたらいいの?
結局、コミュニケーション能力ってこと?
うーん、「送り返す」って言葉がなんか引っかかるけど……
若干のもやもやを引きずりながら私は野見さんの話を聴くことにしました。
フィードバックは”目的”によって変わる
目的によって変わる。
そっか。フィードバックって枠が大きすぎて戸惑ったけれど、目的によって変わるんだ。
じゃあ、それを学べば、いい感じのフィードバックができるようになるってこと?
これはわかりやすかった。
たしかに、ビジョナリーあさカンファレンスのフィードバックは「応援」で、
ビジョナリーよるカンファレンスは「内省を促す」をテーマにしています。
そのテーマ(目的)を揃えれば、どんなに厳しいと思える言葉も「応援」に。
どんなに鋭いと思える指摘も「内省」に捉えられる。
言葉のチョイスは難しいけれど(「がんばれ」でさえ、プラスにもマイナスにも受け取れる)、
想いみたいなものを揃えていたら、受け取りやすくなる。
すごくやさしい考え方ですよね。
さっき気になっていた「送り返す」という言葉がここにきて、ピタッとはまった。
共通の目的のうえで、送り返してあげるっていう、フィードバックは想いのギフト。
だから良いも悪いもなくって、とってもやさしい概念なんですね。
ここにきて、ようやくコミュニケーションとの違いもわかった気がします。
じゃあ、今回は……「自分を開放してみよう!」
今回は、「自分を開放する」というテーマを野見さんにいただきました!
自分を開放するって急に言われても、どうやって?
そこにはしっかり「型」を準備してくれていました。
『ジョハリの窓』をみなさんご存知でしょうか。
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●開放の窓
自分も他人も知っている
●盲点の窓
自分は知らないけど他人は気づいている
●秘密の窓
自分は知っているけど他人は気づいていない
●未知の窓
自分も他人も知らない
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今回は、この「盲点の窓」と「秘密の窓」を開けることを意識して行います。
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●盲点の窓 ⇒ フィードバックにより開放
★ポイント★
「相手の言葉を引用する」
「引用した言葉から自分が感じたことを伝える」
★伝え方★
「”私”が”今”、あなたの○○という言葉(話・エピソード)を聞いて感じたことは○○です」
●秘密の窓 ⇒ 自己開示により開放
★ポイント★
「自分の体験談を話す」
※その際、「事実」と「感情」を分けて話す
★伝え方★
「先日○○ということがあって、○○と感じました」
!!【盲点の窓】【秘密の窓】コンビネーションフィードバック!!
★伝え方★
「”私”が”今”、あなたの○○という言葉(話・エピソード)を聞いて感じたことは○○です。
というのも、先日○○というできごとがあって、私はその時に○○だと感じたからです。
今回の○○さんのできごとによって、似たような感情を共有できたことは嬉しいです。
ありがとうございます」
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相手の言葉を引用したうえで、自分が感じたことを伝える。
しかも、体験談を含めて話をしてもらえると、一気に距離が縮まるのは理解ができますね。
ここで感じたことは、必ずしも「共感」に結びつけなくてもよいということ。
思い出した体験談を話すことによる感情の「共有」でよいのかな、と。
例文では、「似たような感情の共有」とありますが、そこに拘らなくても、相手の言葉を引用して、体験談から自分の感情を共有するだけで、「開放の窓」は開くんじゃないかな、と感じました。
開放の窓を開ける意味とは?
●心理的安全性が高まる
⇒ 不安や恐怖を感じることなく自分の意見を言える状態
心理的安全性が高い状態は、コミュニケーション価値が高まる。
結果として、場の価値(場力)が上がる!!
コミュニティの場においては、この「開放の窓を開けていく」ことがとても重要になります。
では実際に、やってみましょう!
ぜひ、書き出してみてください。
「心が動く」……スキップしちゃうくらいうれしかったことかもしれないし、はじめてスマホをぶん投げたほど怒り狂ったことかもしれない。
3つ同じような感情? まったく違う感情がでてきた?
ご自身でやってみるだけでも、何か気づきが得られると思います。
ちなみに私のをひとつご紹介。
このとき、とても心に響いて突き動かされていた言葉があります。
”終わりを思い描くことから始める
「Begin with the end in mind」”
PAGの活動のひとつ「ミッショナリーイングリッシュ」でもテーマになっていますが、ちょうど先日、横山信弘さんが動画でもこのお話をしていて。
私は、終わりを「死ぬとき」と捉えていたのですが、1年、1週間、1日単位で思い描いてみることを教えてくださって。なんだかすごくリアルに日常に活かせる! って興奮したんですよね。
どうも私は、「心が動く」と言われると、「突き動かされるプラスの出来事」を思い浮かべがちということに気づきました。
それでは、みなさんの感想を見ていきましょう!
・人の感想があると、いろんなことを思い出す
・感情のジャンルを聞くと、共感しやすい。グループワークは、質問が本当に大事ですね
・フィードバックというものの幅が広すぎて、定義が難しいなぁ~と感じました。コミュニケーションとは違う!?
・フィードバックとは、目的が大事
・自分が言った言葉が自分へのフィードバックで返ってきた
・全てを受け入れよう! 感じることは人それぞれ
・フィードバックは相手のことを想って言葉を返すあたたかいものだと思いました
・感想? 意見? 主観? など言葉の定義にとらわれていましたが、目的を共有していればあまり深く考えなくて良いのかな、と感じました
・目的の共有をしていない、してくれない笑、場合のフィードバックは不完全燃焼になりそうなので、まずは何のためにフィードバックをするのかをしっかりと共有していこうと思いました
・フィードバックって、目的によって変わる、は初知見
・目的を共有してからFB、やってみます!
・フィードバックはするよりも受けるときが気持ち良いと感じた。いかにフィードバックをもらえるか。ここが大切
・目的を合わせる、それ重要
・感情が動くポイントが、人それぞれで、それなんだ! と思いました
・意外な面が見られて、おもしろいと思いました
・フィードバックとは、自分自身への気づき!
・学びの中で、目的によってフィードバックは変わるという事、目的を揃える必要がある!
・自分を解放する
・フィードバックは目的を揃える。それはとっても優しいですね!(厳しいコメントでも素直に受け取れる)
・ワークでは、みなさんが体験談とともに共感をしてくださり、とても「うれしい!」気持ちで満たされました。目的の「野見さんのフィードバック体感」できた!
・場の価値が上がる、(開放の窓あける)ほんとそうでした!
・相手のことを思ってするフィードバックは心理的安全性につながるのだと、実感しました
・完璧でない自分も自己開示できる勇気、大切ですね
・フィードバックは普段から意識してます! 相手が見えていない部分に対して、素直に感じたことを伝えることは時として勇気が必要です。フィードバックは相手のことを本当に思ってないと出来ません
・楽しかったです。 「目的を揃える」というのは目からウロコでした
・ジョハリの窓自体は知っていても、それに対して他者との接点の中で何かをしようという取り組みは、私自身は初めてだったので、とても新鮮でした
・型があることで、みんなの気付きのブレンドがすごく良くて、ここでも型の威力を思い知りました
・フィードバックをする側、受ける側の目的をあわせる!これは大きな学び! でした
・ジョハリの窓を使って、目的をあわせながら、型を使ってやってみるのもとっても良い!
・皆さんの意外な一面を見ることができました
・自分が感じたことを皆さんに共感していただけるのも本音同士の会話でよかったです
・決められた時間でお互いの譲り合いの精神なのもVCだからこそと思います
・シェアの後、顔が熱ってました。 目的にあったフィールドバックを貰うといつもとちがうんだなと。 窓が開いた感あります
・指定のフィードバックスタイルでフィードバックに、予想していなかった温かさを感じることができました。新鮮な体験でした。ありがとうございます!
・今日、耳だけ参加でした。 相手の言葉を引用して話すと、少しでも相手に寄り添った印象受ける! と感じました。 ありがとうございます
ワークで実際おこなうことによって、心理的安全や場の価値が上がることを体感した方も多かったよう。
私も、フィードバックの「やさしさ」を肌で感じることができました。
日常がフィードバックとすると、目的を共有できない場面もある。
でもとりあえず、どんな場面でも心持ちは、「気持ちのいい送り返しをすること」。
まずはこれだけしっかり意識していこう。
そして、今回は特別企画のおまけつきです。
PAGの活動のひとつ、「プロフェッショナルありがとうの会」事務局の後藤智明さんから表彰!!
表彰式〜by.プロフェッショナルありがとうの会〜
何の表彰かというと、Facebookグループで「ありがとう(毎日感謝したこと)投稿」をすると段位がもらえるんですね。
その第4シーズンがちょうど終えたタイミングだったので、VBCの場で発表いただきました!
さっそく、素晴らしい段位を取得した方々をご紹介していきましょう。
さらっと書きましたが、この「毎日投稿」が本当に難しいです。
1週間投稿しないとグループから排除されるんですが(何度でも帰還可能)、私も数回やらかしています、ハイ。
でもですね、この表彰をみたとき、めちゃくちゃ”うらやましい!!!”って思ったんですよね。段位ほしい、って。
それで、この日を境に、毎日投稿、いちおう今日まで続けています。
(ほんとは皆勤賞目指したかったけれど、すでに遅かった……)
でも毎日続けてるだけで、気分はいい。
これもやってみないとわからないことですね。最近いたるところで「体感のすすめ」を語っていますが、まさにありがとう投稿もそう。
気になる方は、ぜひ体感しにきてくださいね。
●プロフェッショナルありがとうの会詳細はこちら
https://pag-presidents.jp/activity/club/professional-thanking/
ビジョナリーカンファレンスをはじめ、さまざまなPAGの活動で、多くの方と触れ合えることを楽しみにしています!
(文責:菅 沙絵)